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「人、組織、社会の関係を根本から問い直す」イベント報告(1)
受け入れられないものは受け入れない、をやめるときが来ている 2019年6月19日

2019年5月29日、少し小雨がパラつく水曜日に、ジェイフィールの一大イベント「人、組織、社会の関係を根本から問い直す」は開催されました。

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この日のために準備をしてきた私たちですが、いつもイベント前はドキドキとワクワクでいっぱい。
「あれは大丈夫かな?」という不安は必ず残るものですが、ここまで来たらやるしかないという一致団結感もかなりあります。

今回はイベント報告の第一回として、多くの方から注目を集めた鼎談についてお話します。
ヘンリー・ミンツバーグ教授、野中郁次郎先生、伊丹敬之先生の3人が集うというのは貴重な機会で、この鼎談で何が聞けるのかと楽しみにしているという声は開催前から聞こえていました。
主催した私たちも、とても楽しみにしていたものです。

まず最初は伊丹先生から、人本主義のお話がありました。
日本企業はバブル崩壊後に、確かに「失われた20年」があったものの、働く人たちの智慧とエネルギーを大事にする経営をやってきたということ。
例えば自動車のように3万個もの部品を正確に配置しなければならないような、非常に手間暇がかかる作業をやっていくためには、働く人こそが大事になる。
そこに注力することを戦後の日本はやってきたと。
大衆を草の根で経済活動へ巻き込める。産業民主主義を世界で確実に遂行したのが日本であるというお話でした。

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野中先生からは、「共感」という言葉が何度も出ました。
最初にPDCAを考えるのではない。共感・直観から始まるのだと力強く語られました。
重要なのはまずは個人の思いによる意味づけ、価値づけが出発点になり、それを三人称にもっていかなければ組織的なイノベーションは起こらず、発展しません。そのために重要なのは共感です。
まさに人間。「私とあなた」という二人称を確立することによって自己の主観が「われわれの主観」となり、はじめて三人称に、世界の客観につながる。
変化の中で絶えず普遍的なものを追求することは、人間の生き方を問うことである。そして、アートとサイエンスを動きのなかで絶妙なバランスをとりながら綜合することこそ、人間の善い生き方を追求することに他ならないと述べられました。
つまり、利己と利他というのは対立するのではなく、相互補完であり、であるからこそ共感が大事だということです。
野中先生は最後に「暗黙知・形式知、感性・知性、デジタル・アナログ すべて相互補完だ」と言いました。
対立させるのではなく、排除するのではなく、動態的に二項を両立させていく。
何よりも、「共感」が大事だと明言されたことに、まさに共感を覚えました。

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そしてミンツバーグ教授は、今の世界の状況から「絶対に変わらなければならない」と力強い言葉をもって話し始めました。
最近の世界情勢から考えると、今は危機的状況と言えるのではないでしょうか。
私たちが信じていることに疑問を持ち、崩壊していくだけではなく、どう再生し、新しくしていき、再構築してより善くしていくかの感度を高めることが必要だと。
個人個人でバランスを取っていくことも大事です。
でないと大きな組織でのバランスも取れないし、マネジメントもバランスを欠いてしまう。
コミュニティシップというのはミンツバーグ教授がつくった言葉ですが、リーダーシップと比較して考えていくと、リーダーシップはコミュニティシップを促進するものではありません。
例えば、スティーブ・ジョブズはアート・クラフト・サイエンスのバランスが取れた人ではなく、アートな人でしたが、周りにクラフトやサイエンスな人を置くことでバランスを取りました。
そして自ら商品開発の現場に毎朝赴き、アップル社をコミュニティのようなものにしていきました。
リーダーシップをもってコミュニティシップを築いた例です。
そして、日本はとてもよくバランスが取れた国だとミンツバーグ教授は言いました。
多元セクターのアイデアが政府や企業に入り込んでいるし、西欧諸国の強い個人主義とは違い、日本は正しい方法で個人主義に向かっているように思うと、私たち日本人が気付いていない視点をもたらしてくれました。

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ここから3人の鼎談となりましたが、伊丹先生が「なぜ日本がバランスの取れた国だと思うのか」ともう一度ミンツバーグ教授に聞きました。
すると教授はある動画の話をしました。
裸の男とリーダーシップ」という動画ですが、Youtubeで見ることができます。
このダンスがムーブメントになった瞬間は踊る人がペアになったときです。
ペアになった瞬間にこれはコミュニティシップになる。
これは野中先生が言った「二人称を確立することによって自己の主観が三人称に、世界の客観につながる。」という話につながります。
野中先生は日本人は共感力が強いと言い、伊丹先生もフィーリングが大事だということを日本人はうまくやってきたと言いました。
野中先生は「まず最初に感覚知」が日本人にはあるというのですが、確かに、「空気を読む」とか「間を大事にする」といったことは日本人が得意とするところです。
外国人からは「言ってくれないとわからない」「日本人は世界一わからない」と言われてしまうのですが、例えば「結構です」と言ったときのニュアンスでイエスなのかノーなのか、私たちは普通に理解しています。これは独特の文化なのだと思います。

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ここで伊丹先生が「私たちはこれからどこへ向かうのか」と問いかけました。
野中先生からは「利他とプロフィットを両立するのにはものすごくパワーがいるが、日本人に足りないのはファイティングスピリッツ」というお言葉が。
それを聞いて伊丹先生は「子どもが親に教えろ。若い人が上司に教えろ。という文化が醸成されるといいなと思います」と。
ミンツバーグ教授は「受け入れられないものを受け入れない、というのはやめるときがきている」と語りました。

3名が言っていることは、まさに「問い直し」だと思います。
日本人の「共感力」はものすごいパワーになりますが、それだけでは足りない。
ミンツバーグ教授が言うように「受け入れられない」ものを受け入れていくような、今までの当たり前からの脱却を図らなければなりません。
日本は島国で、長らく鎖国をしていた歴史もあります。
移民の受け入れは極端に少なく、単一民族国家です。
新しい考え方の受け入れやリフレームには、少しハードルがあるかもしれません。
しかし、共感力とバランスがある国だという言葉に自信を持ち、新しい世界をつくっていこうと希望を持った鼎談でした。

<次回は事例紹介や皆さんとの全体対話について報告します!>

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