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コラム・日記

長谷川晃大 連載コラム 「気ままに新世代論」① 2015年5月29日

第1回 自分とつながり、一人ひとりがリーダーになる

私のテーマは、コネクティングリーダーです。
コネクティングリーダーについてはキーコンセプトの欄に記述しておりますので、こちらもご参照いただきたいのですが、これからのリーダーシップのあり方、パラダイムを大きく転換しようというジェイフィールからの提言です。
ただ、まだまだ概念的にも、実践的にも伝えきれていないと思います。ですので、私なりにコネクティングリーダーについてお伝えしていこうと思います。今回は、コネクティングリーダーに必要な5つの力の中の「自分とつながる力」について考えます。


私の好きな映画で河瀬直美監督の「萌の朱雀」という作品があります。
情景や表情の描写が素晴らしく、セリフは少ない中で、視聴者側にその気持ちや描写から感じる世界観を創る余白を与えてくれる素晴らしい作品だと思っています。
夫婦でこの映画を見た後に、感想を語り合うと、互いのストーリーの受け取り方の違いが、とても面白く、映画を通して個々の世界観を表現しあっていたという記憶があります。

私たち一人ひとりが認知している世界の姿は、自分自身のフレームを使って見ている姿だと思っています。
例えばある人がある街についてこのように語ったとします。
「周辺にはメロンパンがおいしいパン屋があって、朝日が映えてきれいな公園があり、よく小学生が笑顔で走り回っている、そんなにぎやかな街です」
そして別の人が同じ街についてこう語ったとします。
「いつも行列ができているパン屋があって周辺には無駄にスペースをとった大きな公園があるんですが、僕が通る時間にはあんなに広いのにあまり人がいないんです。結構閑散としている場所ですね。」
ずいぶん違った捉え方で、伝えられる方も全く別の街をイメージすることになるでしょう。でも、二人は同じ場所に存在している人たちです。そのように互いが映し出す「個々の世界」が重なり合って世界は存在しています。

唯一の真実とは、今この瞬間、そこに存在する人やものだけで、それを感じ、色をつけて解釈しているのは全て自分自身なんですよね。"余白のある"映画や動画を見て感じる心。それは、紛れもなく自分自身の心をその作品を通して見つめていることなのかもしれません。
つまり、何を言いたいかというと、自分の内側にあるものは自分から見える外側の世界に反映しているということです。
ところがここで問題になることがあります。それは、自分の内側にある「境界」という存在が、この「見え方」を大きく左右してしまうということです。

ボーダーレス。この言葉が世界で長い間ささやかれるのにも関わらず、人は差別し、評価し、偏見をもつことを繰り返しています。それが大きな争いにまで発展してしまう。境界のない世界は本当に実現しうるのでしょうか。
境界のない世界とは「評価、判断することなく互いが互いを受け止めあう世界」だと思います。ただし、一人ひとりの中に評価、判断する心が存在する限り、真にボーダーレスの世界が訪れることはないだろうと思うのです。
この問題に関して、考えなくてはならない重要なことは、評価、判断する一人ひとりが、実は自分自身に対しても「自分はこんなことができる人間ではない。」「ダメな人間だ」などと評価、判断したりする部分があるということです。多くの人たちが知らず知らずにこの状態に悩み、苦しんでしまいます。やがて、自分の中に出来上がった境界線に慣れてしまい、しまいには存在することにすら気づかなくなってしまうのです。ただ、その境界線の輪郭は日々の自分自身の活動全てに内包されているように思います。

真に人につながり、思いを重ねて新たな未来を築いていくリーダーに必要なのは、この境界線の存在を一つずつ受け止めながら、自分自身の本当の姿を明らかにいくことではないでしょうか。

ただし、一度築いた境界線を崩すことは容易なことではありません。築かれるまでにはそれなりの歴史が存在するからです。ただし、それを認め、そんな自分であることを受け止めていく過程で、その境界線の範疇にあった人や物事も受け止めていくようになります。つまるところ、自分自身との関係は他者との関係の鏡ではないかと思います。


コネクティングリーダープログラムの中核にある「自分とつながる」とは、外側を見る自分自身の内なる目と向き合い、多様な面から自分自身を受け止めていくプロセスであると言えます。様々な境界を外し、つながっていくリーダーになるとは、すなわち「自分が自分になる」ことでもあるように思います。それが真にオーセンティックなリーダーシップであり、一人ひとりがリーダーであるというコンセプトに基づくコネクティングリーダーの姿ではないかと思います。

すべての境界が消えることはないかもしれません。そして簡単なようで、とても勇気が必要で難しいことですよね。もちろん私にとってもチャレンジングなことです。でも、だからこそやりがいのあるテーマでもあると思うのです。ぜひ、一緒にコネクティングリーダーを目指してみませんか。

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